兵庫・鳥取県境にそびえる氷ノ山(別名須賀ノ山・標高1,510m)は兵庫県の最高峰で、中国地方でも大山(標高1,729m)に次ぐ高峰だ。天照大神が朝日に映える樹氷を見て「ヒエの山」と呼んだことが山名の由来とされる。登山道の途中には、かつて因幡と但馬を結ぶ御伊勢参りの峠だった氷ノ越があり、この先にブナの自然林がある。山頂部にはドーム状の緩やかな斜面が広がり、一帯はチシマザサに覆われている。展望もよく、空気の澄んだ日には六甲から四国の山々まで、360度のパノラマを楽しめる。登山適期は5月中旬から12月上旬。雪山登山として登られることもあるが、冬装備は必須。登山道は兵庫県側、鳥取県側ともにダイナミックな周回コースが楽しめる。
兵庫県養父市と香美町にまたがる標高1,221mの山で、兵庫県最高峰の氷ノ山とは稜線でつながっている。山頂部に大きな鉢を伏せたような窪みがあり、その形状が山名の由来と言われている。一帯は「ハチ高原」として、スキーをはじめ四季を通じてレクリエーションが楽しめる。大規模な草原がなだらかに広がり、ハチ高原を見下ろしながら高原ハイクができるのがこの山の最大の魅力。危険箇所がほぼないことから、林間学校の集団登山の場ともなっている。おすすめの登山コースは南麓の鉢伏バス停を起点とする約5時間の周回。山麓に1泊して、氷ノ山とセットで登るのもいいだろう。一般的な登山適期は残雪がなくなる4月中旬から降雪前の11月中旬まで。
雪彦山(せっぴこさん)は、兵庫県姫路市にある山である。 弥彦山(新潟県)、英彦山(福岡県・大分県)と共に日本三彦山として知られる修験道の地。日本百景、ひょうごの森百選、兵庫50山、関西百名山、近畿百名山に選定されている。ロッククライミングの名所として知られている。 雪彦山については複数の定義が存在する。旧夢前町(現在は姫路市に合併)は、雪彦山の定義として、「洞ケ岳」(811m)、「鉾立山」(950m)、「三辻山」(915m)の総称であると定義し、「洞ケ岳」山頂にもそのように表記していた。これに対して、国土地理院発行の2万5千分の1地図等では、三辻山を「雪彦山」として、二等三角点を置いている。また、登山案内の多くでは、「大天井岳」、「不行岳」、「三峰岳」、「地蔵岳」等の岩峰から構成される「洞ケ岳」の最高峰である「大天井岳」(標高811m)を雪彦山と看做している。さらに、古くは周辺の明神山、七種山と三山を総称して雪彦山と呼んでいた、という定義もある。 地質は、後期白亜紀の火山岩(デイサイト・流紋岩)である。南麓から夢前川及びその支流の菅生川が流れ出ている。 この一帯は、北方に繋がる峰山と共に、雪彦峰山県立自然公園を形成している。 なお、「大天井岳」の標高は長らく884mとされてきたが地形図からもこれは明らかに誤りであり、測量の結果正確な標高は811.1mであると判明したものの、未だ十分に浸透しているとはいえない状況であり注意が必要である。
東床尾山(ひがしとこのおさん)は標高839.1mの山である。関西百名山とふるさと兵庫50山にノミネートされている。 兵庫・京都の府県境に端を発し、兵庫県北部の豊岡市と朝来市の境界をなぞるように連なる床尾連山の西端部にあるこの山は出石糸井県立自然公園の中核をなしている。豊岡市と朝来市の境界地点に存在する山頂からの展望はよく、氷ノ山、蘇武岳、大江山など北近畿の山々が見渡せる。山には昔からイノシシやシカなど野生の動物が多く生息しており自然は豊かである。 この山は、「あまりに谷が深いため一度迷ったら二度と出ては来れない山」として古くから地元の人々に恐れられているほか、シカと同じくらいの大きさの大アリが出たという口伝承も存在している。 この近くには、西床尾山も存在するが、一等三角点が東床尾山にはある一方、西床尾山には無いことなどから、登山者にはこちらの方が人気があるという。 この山への登山口は計3か所存在し、自家用車で林道を利用して、途中の糸井の大カツラまで上がった場合は、最短で歩行時間約30分で山頂に着くことも可能である。 かつて、この山には、段ヶ峰に設置予定であった、風力発電所建設予定地の代替場所として計画が持ち上がったこともあった。