長野県山岳遭難防止対策協会
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お知らせ
【島崎三歩の山岳通信】第264号(令和4年6月8日)<5月30日~6月5日遭難事例> 焼岳に火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)を継続 https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/310.html 天気・防災情報https://www.jma-net.go.jp/nagano/ を確認し万全の準備で入山を! ◎山岳遭難発生状況(週報) ・5月30日、単独で中央アルプス大川入山に入山した男性(45歳)が、体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生し、消防防災ヘリが出動して男性を救助しました。 ・5月29日から2人パーティで、北アルプスに入山した男性(33歳)と女性(26歳)が、蝶ヶ岳から常念岳に縦走中、登山道を外れて行動不能となる山岳遭難が発生し、30日、北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して2人を救助しました。 ・5月30日、2人パーティで入山した男性(60歳)が、十文字峠付近の階段において、バランスを崩し、転倒して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して男性を救助しました。 ・6月2日、3人パーティで八ヶ岳連峰横岳に入山した女性(75歳)が、登山道から滑落する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しましたが、死亡が確認されました。 ・6月4日、5人パーティで小川山に入山してロッククライミングをしていた女性(51歳)が、足を滑らせて約7メートル転落し負傷する山岳遭難が発生し、消防防災ヘリが出動して女性を救助しました。 ・6月4日、3人パーティで蓼科山を登山中の男性(29歳)が、石でつまづき右足を捻って負傷する山岳遭難が発生し、5日県警ヘリが出動して男性を救助しました。 ・6月5日、タケノコ採りで水尾山に入山した女性(56歳)が、道に迷い行動不能になる遭難が発生し、飯山警察署員と志賀高原地区山岳遭難防止対策協会救助隊野沢温泉班が出動して女性を救助しました。 ○令和4年6月5日現在の遭難状況は 70件(死者12人、行方不明1人、負傷者33人、無事救出35人)となりました。 前年比は、発生件数が+8件、遭難者が+8人です。 内)単独登山は、発生件数が-1件、遭難者が-1人です。 ★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス 6月1週は死亡遭難を含む7件の遭難が発生しました。この時期は、残雪によって登山道が不明瞭となっていたり、日中は気温の上昇により、暑さと湿気で体力が奪われやすくなっています。事前のルート調べをするとともに、休憩時には自分の現在位置の確認、こまめな水分・栄養補給を意識しましょう。 週末は、山菜採り遭難も発生しています。山菜採りは、山菜を採ることに夢中になる余り、急斜面に入り込んだり、自分の現在位置がわからなくなり遭難してしまいます。「山菜を採りに行くだけだから。」と安易な気持ちで入山するのではなく、必要な装備品を携行し、単独入山は控え、慎重な行動を心掛けましょう。また、複数人で入山しても、互いに声の届く範囲内で行動し、仲間同士ではぐれてしまうことのないように注意しましょう。 県内は、梅雨前線の影響により、局地的に大雨となった地域があります。登山を計画する際には、里山といえども油断することなく、天候が悪い場合には、登山の中止等を検討することも重要です。
2022.06.08(水)
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お知らせ
【島崎三歩の山岳通信】第263号(令和4年6月2日)<5月16日~5月29日遭難事例> 焼岳に火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)を継続 https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/310.html 天気・防災情報https://www.jma-net.go.jp/nagano/ を確認し万全の準備で入山を! ◎山岳遭難発生状況(週報) ・5月22日、戸隠連峰高妻山に8人パーティで入山した女性(66歳)が、下山途中にバランスを崩し、約200メートル滑落して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して女性を救助しました。 ・5月21日、4人パーティで上高地から入山し、翌22日前穂高岳から下山中、女性(47歳)が滑落して負傷し、23日に行動不能となったため、県警ヘリで救助しました。 ・5月24日、単独で北アルプス涸沢から下山中の男性(64歳)が、岩につまずいて転倒し負傷する山岳遭難が発生し、北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して、防災ヘリで救助しました。 ・5月26日、単独で北アルプス燕岳に入山した男性(62歳)が、下山途中に体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生し、救助要請があり、安曇野警察署山岳遭難救助隊員が出動して救助しました。 ・5月28日から2人パーティで入山し、北アルプス常念岳方面へ向け、登山中だった男性(61歳)が行方不明となり、29日、北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員と安曇野警察署山岳遭難救助隊員が出動して救助しました。 ・5月29日、2人パーティで南佐久郡南牧村飯盛山山頂から下山中、女性(67歳)がバランスを崩し転倒し負傷する山岳遭難が発生し、消防署員が出動して救助しました。 ・5月29日、佐久市志賀の岩場(通称・ひなたエリア)で仲間7名とロッククライミング中の男性(19歳)が、疲労により約3メートル滑落して負傷する山岳遭難が発生し、消防署員が出動して救助しました。 ○令和4年5月29日現在の遭難状況は 63件(死者11人、行方不明1人、負傷者30人、無事救出31人)となりました。 前年比は、発生件数が+4件、遭難者が+4人です。 内)単独登山は、発生件数が-1件、遭難者が-1人です。 ★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス 5月3週は1件の遭難が発生しました。 遭難現場である高妻山山頂直下は、約300メートル以上もある急斜面が続く登山道で、いまだに山の斜面には雪が残っています。このような場所で一歩足を踏み外すと、残雪上を止まることなく簡単に数百メートル滑落し、最悪の場合、命を落としてしまう危険性があります。 また、下山時は、登りに比べて疲労が蓄積しやすく、集中力が散漫になり、思い掛けないところでつまずいたり、ルートを誤る等のリスクがあります。下山中はこれらのリスクを念頭に、安全登山を心掛けましょう。 5月から6月にかけては、山菜採りシーズンとなります。山菜採りに行く際は、山に入る意識を持ち、行き先や帰宅時間を家族等へ知らせるとともに、携帯電話・雨具・食料などの装備を携行しましょう。また、山菜採りに夢中になり過ぎて危険な斜面等に入り込み、自分の命を落とす事案が毎年のように発生していますので注意しましょう。 5月4週は、6件の遭難が発生しました。 このほか、山岳遭難には至っていませんが、山菜採り中に「仲間とはぐれてしまった」、「下山中、疲労で足がつり動けない」などの通報がありました。いずれも、すぐに同行者と合流することができたり、少し休憩をして回復したため、大事には至りませんでしたが、このような場合でも油断は禁物です。 4週の遭難では、パーティで登山中、別々に行動し、仲間のうち一人が道に迷う遭難がありました。パーティ登山は、ペースや体力などがそれぞれ異なるため、自分のペースで歩けないストレスがあるかもしれませんが、山頂に到着した喜びや美味しいご飯を共有できるなど、単独登山では味わえない楽しさがあります。また、万が一トラブルに遭遇した際は、お互いに協力し合うことができるほか、怪我などで遭難した場合には、仲間が通報することにより、早急な救助活動につながる場合があります。 パーティで行動する際は、パーティ登山の利点を損なうことなく、下山まで安全に行動をしましょう。 県内は、梅雨前線等の影響により、天気予報も急に変化することがあります。最新の天気予報を確認し、無理のない登山計画を立て、慎重な判断をしましょう。
2022.06.02(木)
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【島崎三歩の山岳通信】第262号(令和4年5月18日)<5月9日~5月15日遭難事例> 雪崩にご注意を! ~県内でも遭難事案発生~ 天気・防災情報https://www.jma-net.go.jp/nagano/ 雪崩情報https:/nadare.jp/avalanche_informations を確認し万全の準備で入山を! ◎山岳遭難発生状況(週報) ・5月11日、長野市鬼無里クルワドウ沢に3人パーティで山菜採りに入山した男性(71歳)が、発病で行動不能となる山岳遭難が発生し、死亡が確認されました。 ・5月12日から単独で北アルプス後立山連峰爺ヶ岳に入山した男性(73歳)が、入山したまま行方不明となる山岳遭難が発生し、大町警察署山岳遭難救助隊等が、16日から捜索を予定しています。 ・5月15日、単独で南アルプス塩見岳に入山した男性(47歳)が道に迷って行動不能となる山岳遭難が発生し、本人から救助要請があり、16日、飯田警察署員が男性を発見し、救助しました。 ○令和4年5月15日現在の遭難状況は 56件(死者10人、行方不明2人、負傷者25人、無事救出29人)となりました。 前年比は、発生件数が±0件、遭難者が±0人です。 内)単独登山は、発生件数が-1件、遭難者が-1人です。 ★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス 5月2週は、山菜採り中の死亡遭難、単独登山者の行方不明遭難を含む3件の遭難が発生しました。 単独登山中の行方不明は1週に続いて発生していますが、単独登山はトラブルが発生しても一人で対応しなければならず、命に関わる深刻なアクシデントに見舞われるおそれもあります。今後、単独で登山を計画されている方は、このような単独登山のリスクを理解した上で、慎重な判断と行動をお願いします。 北アルプス等の標高が高い山域や北信地方の山域では、日陰となる樹林帯や谷筋に雪が残っています。このような場所では滑落の危険性もあるほか、残雪によりルートの不明瞭な登山道もあります。地図等による確認に加え、事前に最新の現地情報を確認し、安全登山を心掛けましょう。
2022.05.18(水)
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【島崎三歩の山岳通信】第261号(令和4年5月11日)<4月25日~5月8日遭難事例> 雪崩にご注意を! ~県内でも遭難事案発生~ 天気・防災情報https://www.jma-net.go.jp/nagano/ 雪崩情報https:/nadare.jp/avalanche_informations を確認し万全の準備で入山を! ◎ <<春の大型連休中の山岳遭難発生状況>> 1.発生状況(4月29日~5月8日) 内 訳(人) 日数 件数(件) 人数(人) 死者 不明 負傷者 無事救出 R3(2021) 4/29~5/9 11日 14(3) 15(4) 6(3) 0(0) 2(0) 7(1) R4(2022) 4/29~5/8 10日 7(1) 7(1) 1(0) 1(0) 3(1) 2(0) 前年比 -7 -8 -5 +1 +1 -5 ※( )内は県警山岳遭難救助隊が常駐した槍・穂高連峰「涸沢」周辺の発生で内数 2.遭難の態様 ・滑落 2件(2人) ・病気 1件(1人) ・その他不明 2件(2人) ・転倒 1件(1人) ・道迷い 1件(1人) 合計 7件(7人) ◎山岳遭難発生状況(週報) ・4月23日から単独で中央アルプス空木岳に入山した男性(68歳)が、4月26日に下山予定のところ、連絡が取れず行方不明になっていました。県警ヘリが出動して捜索を行い、28日、発見しましたが、死亡が確認されました。 ・4月28日、北安曇郡小谷村の鎌倉山に入山した女性2名(71歳、35歳)が、道に迷って行動不能となる山岳遭難が発生し、29日、大町警察署山岳遭難救助隊員が発見・救助しました。 ・5月2日、北アルプス白馬岳に2人パーティで入山した男性(68歳)が、登山中に意識を失い行動不能となる山岳遭難が発生し、大町警察署山岳遭難救助隊員及び北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が救助しましたが、死亡が確認されました。 ・5月2日、北アルプス燕岳に5人パーティで入山した女性(59歳)が、下山途中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、安曇野警察署山岳遭難救助隊員が出動して女性を救助しました。 ・5月4日、虫倉山に2人パーティで入山した男性(80歳)が、下山途中に転倒し、約20メートル滑落する山岳遭難が発生し、長野市消防局員が出動して救助しました。 ・5月4日、四阿山に4人パーティで入山した男性(51歳)が、登山中に足を滑らせて滑落し、急斜面で身動きが取れなくなる山岳遭難が発生し、須坂警察署員及び県警ヘリが出動して男性を救助しました。 ・5月5日、3人パーティで北アルプス涸沢から下山中の男性(44歳)が、アイゼンを引っかけて転倒し、約30メートル滑落して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリが出動して男性を救助しました。 ・5月6日、5月2日から5月5日までの予定で単独で上高地付近にテント泊していた男性(74歳)が、行方不明となっています。 ・5月7日、単独で風越山に入山した女性(57歳)が、山頂から下山中に道に迷う山岳遭難が発生し、飯田警察署員が出動して女性を救助しました。 ○令和4年5月8日現在の遭難状況は 53件(死者9人、行方不明1人、負傷者25人、無事救出28人)となりました。 前年比は、発生件数が-2件、遭難者が-2人です。 内)BCは、発生件数が+2件、遭難者が+4人です。 ★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス 4月5週は、2件の遭難が発生しました。鎌倉山の道迷い遭難は、残雪により道が不明瞭だったことも遭難の一因と見られます。春先は日陰となる樹林帯に残雪が残り、登山道が不明瞭な場所があります。事前にルートの全容や迷いやすい尾根や沢の分岐点などを把握した上で入山しましょう。 5月1週は、死者1名、行方不明1名を含む7件の遭難が発生しました。行方不明は、単独登山による遭難でした。 単独登山は、自分のペースで登れる、行きたいときに行ける、一人の空間を味わえる等の良い点がある反面、何かトラブルが発生したり、遭難をした場合には一人で対応しなければならず、その場所が携帯電話の通信圏外であれば、携帯電話で助けを求めることもできません。今後、単独で登山を計画されている方は単独登山のリスクを理解した上で、必ず行き先・行程等を家族や職場の方などへ伝え、無事下山するまで気を抜かないようにしましょう。 また、標高の低い里山での遭難も発生しています。里山は、容易にアクセスしやすく、比較的日帰りで行きやすいと思われがちですが、登山道が不明瞭だったり、整備されていない道で躓いて転倒する等の危険が潜んでいます。 今週末は、気圧の谷や前線の影響で曇りや雨の日が多い予報となっています。登山を計画されている方は、最新の天気予報を確認し、安全登山を心掛けましょう。
2022.05.11(水)
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